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⑥【役に立つ寄り道・第4回】 学歴は何の役に立つ? 学歴社会はなくならない?

「学歴社会」という言葉自体を聞いたことがないという方は皆無でしょう。読んでいただいている方が大学受験生であればこれから新たな学歴を手に入れることになりますし、社会人の方であればすでに手に入れたものになります。今回は「学歴社会」とはそもそも何なのかというところから、現在の日本において学歴はどう位置付けられているのか・何の役に立つのかを英語学習・論理的思考の派生として考えてみたいと思います。

   

学歴社会とは? どうして生まれた?

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そもそもは江戸・明治の時代にさかのぼります。江戸時代は鎖国の影響で技術力・知識などの点で欧米に遅れをとっていました。この時代に遅れを取るということは植民地支配されかねないということで、明治時代に入り、「教育こそが国を救う」という発想が強くなったのです。そこで国民の学問レベルを引き上げるために大学を頂点とした各学校が続々と設立されることになりました。

しかし、国家予算や国民の所得が低かった当時は今のように国民の多くに高度な教育を行うことができませんでした。そこで、「優秀な者を選抜して高等教育を行う」⇒「指導者として国民全体の技術力・知識を向上させる」という方針になったのです。ここで「高等教育を受けられる者=エリート」とそれ以外の者に分かれたことにより学歴社会が生まれました。つまり、単純に言えば予算の都合で生まれたものです。

 

今はどうなっている? 学歴社会はなくなった?

大学に目を向けると、現在は国公立・私立合わせて800校以上にのぼり、少子化の影響もあって定員割れを起こしている大学も多く、学力が低くても「どこかには入学できる」という状態です。つまり大学が少なかった明治時代のように「優秀な者を選抜」しなくても同じ学問が学べるようになっているのです。

このように多くの国民が大学まで進学する現在では学歴社会はなくなったはずです。しかし意味を変えて学歴社会は存在し続けています。

本来は「学問」を身に付けた「履歴」という意味が「学歴」なので、中学校卒業・高校生卒業・専門学校卒業・短大卒業・大学卒業…という区分の中で、例えばどの大学を卒業してもみんなが同じ「大学卒業」という学歴を手に入れたことになるのですが、現在の「学歴」という言葉には単に「大学卒業」ではなく「どの大学を卒業したのか」という意味も含むようになっています

つまり、当初は「どの段階の学問を受けたのか」という区分によって生まれた「学歴社会」という言葉が、「どの学校で学問を受けたのか」という意味でも使われているということです。

 

偏差値主義に形を変えた学歴社会と就職の関係とは?

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つまり「難関な学校を卒業した」=「高学歴」という意味が現在の「学歴社会」という言葉の根本の意味になっており、これは就職と大きく関係しています。

「(現在の意味での)高学歴を手に入れれば就職が有利になる」ということが学歴社会という言葉が残った最も大きな理由でしょう。ということは採用する組織の側が作り出したものであるとまずは言えます。「偏差値の高い学校を卒業した者をなるべく採用したい」という発想が生み出したことになります。

人物を見る前に学校名で絞ってしまう「学歴フィルター」という言葉がまさに現代の意味での学歴社会の象徴です。

なぜこのようなことが起きているかというと「役に立つ寄り道・第3回」で述べたように、論理的思考で問題解決・コミュニケーションをすることが仕事の核であり、その論理的思考を鍛えた学力が高い者は偏差値が高い学校に多いからです。

もちろん「偏差値が低い学校にだって論理的思考が高い者はいる」という反論がありますが、わざわざ確率の低い側から積極的に採用しようとするというのも組織としておかしなことなのです。

偏差値が高い学校から採用してみたものの論理的思考を上手くコミュニケーションに活かせない人物だったり、論理的思考力そのものが低かったりということはもちろんありえますが、それはあくまで結果であり、採用しようとする段階でわざわざ確率の低い方を積極的に選択する理由は少ないということなのです。

このことから良し悪しは別として現在の学歴社会はまだ続いて行くだろうと思われます。