⑩【学習法編-2.単語編・第3回】「7日」という分かれ目を利用する単語暗記の「高速回転法」とは?
「2000個から逆算」することで論理的に単語を暗記できると前回述べました。
逆算するということは具体的にどういうことか、そしてそれが単語暗記という一番の「暗記もの」をどれだけ簡単に乗り越えられるかを解説していきます。
ヒトの暗記は「7日」が分かれ目?
平均的な人が単語のような意味を持たないものを暗記すると、「50%以上覚えていられるのは7日まで」というデータがあります。8日目から急激に下がり、10日目には10%ほどになります。
単語2000個を覚えるのに100日かけることのムダさをお話しましたが、10日目でさえ10%しか覚えていられないものを100日後に覚えているわけがありません。
この「8日目から急激に忘れてしまう」という特性を逆に利用するのが「高速回転法」です。いくら頑張って暗記した単語も「8日目からは忘れてしまう」⇒「7日間で1番~2000番全てを暗記して、8日目からはまた1番からスタートする」という手段です。つまり「忘れてしまう前にまた同じ単語に出会う」というのが最も論理的な暗記法です。
この「7日ワンセット」×1周だけではもちろん身に付かないので×5周は必要だと思ってください。日にちを空けるとその分忘れるので休む日を作ってはいけません。これが「高速回転法」と名付けている所以です。1周目では20%ぐらいしか思い出せなくても2周・3周…と繰り返していき100%にするのです。
つまり、2000個÷7日=1日約300個を暗記していくことになります。これで35日(5周)あればほとんどの方が2000個を身に付けて、単語暗記は終了して次の項目に進むことができます。単語集を捨てても大丈夫な段階までたどり着くことで初めて「単語暗記終了」と呼んで、次の項目にいくことが許されます。
「苦労したくない」という感情がさらに大きな苦労を生む?
「そんなの無理だよ」と決めつけなくても大丈夫です。具体的なやり方はきちんと紹介していきます。そして何より思い出して欲しいのが「無理にないように1日20個」と決めて暗記した場合には100日しても全く暗記が終わらないどころかおそらく1個も覚えられないということです。
つまり「暗記したくない」・「苦労したくない」という感情だけで決めた「1日20個」というやり方は逆に「暗記が終わらない」・「かえって苦労する」という結果に終わるということなのです。
英語という一つのものに向かっている以上、最短ルートが存在します。そのルートをきちんとたどって苦労を避けるためには単語暗記法でさえまず感情ではなく論理的に考えなければならないのです。
では次回から実際どのようにしたら「高速回転法」で暗記できるのかを解説していきます。