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19【学習法編-6.構文編・第2回】単語・熟語・文法をフル活用してたどり着く「真の構文学習法」を完全公開

これまで読んでくださった方であれば、「構文だけを得意にしよう」というような発想は大間違いだと分かるはずです。そこで前回、構文学習法をお伝えする序章として「The truth that you know is important.」という例文を挙げて、「結果『に』正確にたどり着くように読む」ことが構文学習の核心であることに触れました。この構文学習の核心をより深く解説していきます。

単語・熟語・文法をどうやってフル活用すればいい?

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この3つをただ「フル活用」しなさい、と述べるだけでは筆者の出る幕はもうありません。これから具体的にフル活用の方法をお伝えします。まず「The truth that you know is important.」という例文と、前回示したthatの区分をもう一度見てください。

 

thatの区別(基本5つ)
1 「that+不完全な文」(後ろに不完全な文が来るとき)  thatは関係代名詞
2 「that+完全な文」(後ろに完全な文が来るとき)  thatは接続詞・関係副詞のどちらか
3 「it is…thatで強調構文を作る(1.2の例外)」  熟語の一種なのでthat単独には意味がない
4   thatが代名詞(それ・あれ)  
5   thatが形容詞(その)  

 

この表に書かれていることは中学単語と文法で順に学習したことだけでできています。しかし「that=形容詞で『その』という意味だよ」と習って、次に「代名詞で『それ』という意味もあるんだ」という具合にバラバラにthatは出てきます。これでは「文中でthatが出てきたらどうすればいいのか」という根本の問題になかなか迫れません今まで習ったthatの用法を全て頭のなかに一瞬で思い出すトレーニングが必要です。それこそが「フル活用」するということです。

活用の仕方は「可能性を排除」することにあると前回述べました。それを示してみます。

「The truth that you know is important.」において、

thatのあとは不完全です。(「know=~を知る」なのに何を知るのかが書かれていません)

2「that+完全な文」(後ろに完全な文が来るとき)の可能性が消えます

⇒it isがないので3「it is…thatで強調構文を作る(1.2の例外)」の可能性も消えます。

⇒4「thatが代名詞(それ・あれ)」だとするとtruth that youと3つ名詞が並んでしまうので消えます

⇒5.「thatが形容詞(その)」だとするとyouの前に形容詞が来てしまうので消えます

残った1「that+不完全な文」(後ろに不完全な文が来るとき)→thatは関係代名詞、だけが正解だとたどり着けるのです


これは何も特別な読み方をしているわけではありません。英文が読める人はこの「可能性を排除」という作業を瞬間でこなしているのでどんどん文を正確に読んで行けるのです。これがあらゆる文でできることが構文学習のゴールです。
これで「thatなんて中学生でも知ってる」・「文法はもう完璧」などと簡単に言えないことが分かるでしょう


もちろんthatに関してこのように鮮やかに・瞬間的にできるまでには時間がかかります。いろいろなところでバラバラに学習したthatをまとめておいて(できる方は頭の中だけでまとめてもかまいません)、実際に文の中にthatを見つけたときに「全ての可能性を思い出す⇒可能性を一つずつ排除する」という過程が自分でできるまでトレーニングするのです
勘で「関係代名詞だろう」と根拠なく決めて偶然正解しても意味は全くありません。次に別な文を読んだときに合っているとは限らないからです。

そこでthatのように意味が多く品詞もいろいろあり、文の中で頻出するものは必ずまとめて理解しておかなければいけないことが分かりますね。

 

どうして名詞が3つ並ぶとアウト? どうしてyouの前には形容詞は置けない?

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実は今、可能性を排除するときにあえて説明を省いた箇所が2つあります。ここに疑問なく読めた方はすでに構文学習が進んでいる方か逆にまだ踏み出せていない方です。

最初は「名詞が3つ並ぶとアウト」というところです。「そんな文法あったかな?」と思いたくなるでしょう。確かにお勧めした文法書にも直接は載っていないと思います。しかし文法は「組み合わせて使うもの」です。構文理解のために単語・熟語・文法を組み合わせて使いますが、3つそれぞれの中でもさらに組み合わせで使わなければいけません

この場合、文法の第一歩である「文型」さえ理解できていれば「アウト」の理由が分かります。

SV・SVC・SVO・SVOO・SVOCという5つの文型は必ずどの文にも当てはまります。そして名詞がなれるのはS・O・Cです。ここで名詞が連続する可能性を考えるとOOとOCの部分で「最高2つまで」しか並ぶことはないと分かります。だから「名詞が3つ並ぶとアウト」として可能性を排除したのです。

「組み合わせ」で文法を使わなければならない意味が分かったでしょうか? 文型の解説をしてあるのに、さらに「名詞は3つ以上並ばない」などと書いていては文法書が何千ページあっても足りないからです

 

同様に「youの前に形容詞が来てしまうので消えます」という部分も文法をしっかり学習していれば分かることです。「名詞の前に置かれた形容詞」=「限定用法の形容詞」とどの文法書にも必ず載っています。これをどんな文でも応用できなければせっかく文法を学習した意味がありません。

「you」=「あなた(たち)」と単語としては誰でも知っています。これと「限定用法の形容詞」という文法を組み合わせるのです。「あなた(たち)」とは目の前にいる人(たち)のことなので、限定できないのです。

例えば「clever you」=「かしこいあなた(たち)」と書いたら「あなた(たち)の中でかしこい人限定」という意味になり、「かしこくないあなた(たち)」も存在することになります。しかし目の前にいる「you」は1種類しかなく何種類も存在していないので、このような英語はありません。「cool Ken」=「かっこいいケン」などと書けないのと同じです。この場合も「かっこよくないケン」も存在しないと成立しないのです。


これが「youの前に形容詞は置けない」理由です。文法の学習で簡単だと思っていたことが、実際の文で活かすにはそう甘くはないと感じてもらえたでしょうか? ここまでできて初めて「単語・熟語・文法をフル活用して構文を理解した」といえます。そして初めて例文を「あなた(たち)が知っている真実は重要なものだ」と正確に理解できるのです。

 

「フル活用」とは暗記を徹底的に排除して論理で読むということ

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このように単語・熟語・文法をフル活用せずにいちいち「名詞は3つ並ばない」などとメモして必死に覚えていたら、あっという間に英語が暗記科目になって苦手になるばかりか肝心の英語力も付きません。大切なのは「いかに最小限の暗記しかしないか」ということです。「最小限の武器」×「論理の組み合わせ」で英語を読んでいくのが最短ルートです

「The truth that you know is important.」を正しく理解するために何も新しい知識を用いなかったことに気付いたでしょうか? 使ったのは中学単語と文法書で学習した(はずの)基本的な知識だけです。

しつこく繰り返しますが、「暗記は最小限に」×「論理的に組み合わせて使う」という2点をしっかり意識・実践するだけで英語学習法の最短ルートをたどることができ、英語力が大きく飛躍します